Japanese
English
症例報告
塩酸ジブカインによる光線過敏型薬疹の1例
A case of photosensitive drug eruption induced by dibucain
中田 良子
1
,
松下 哲也
1
,
上出 良一
1
Yoshiko NAKADA
1
,
Tetsuya MATSUSHITA
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
塩酸ジブカイン
,
光線過敏型薬疹
Keyword:
塩酸ジブカイン
,
光線過敏型薬疹
pp.33-35
発行日 1997年1月1日
Published Date 1997/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902067
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42歳,男.1994年10月8日より外痔核のためネリプロクト坐薬およびプロクトセディル軟膏を使用していたところ,肛囲の掻痒感と右手掌に漿液性丘疹が生じた.10月22日にゴルフに行ったところ,翌朝から顔面,右手背(左は手袋着用)に浮腫性紅斑と漿液性丘疹が生じた.病理組織所見では,表皮の海綿状態と真皮の好酸球を混ずる炎症細胞浸潤を認めた.薬剤中止1か月後に光貼布試験を施行したところ,プロクトセディル軟膏as isとその成分である塩酸ジブカインは非照射部で2+,UVA照射部では3+を示し,ネリプロクト坐薬とその成分である塩酸リドカインでは陰性であった.以上より本症例は,塩酸ジブカインの接触ならびに光接触過敏性を有し,露光部にみられた皮疹は塩酸ジブカインによる光線過敏型薬疹であると診断した.
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