Japanese
English
症例報告
塩酸ジブカインによる光線過敏型薬疹の1例
A case of photosensitive drug eruption induced by dibucaine
夏見 亜希
1
,
加藤 敦子
1
Aki NATSUMI
1
,
Atsuko KATO
1
1大阪回生病院皮膚科
1Division of Dermatology, Osaka Kaisei Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
塩酸ジブカイン
,
光線過敏型薬疹
,
光貼布試験
Keyword:
塩酸ジブカイン
,
光線過敏型薬疹
,
光貼布試験
pp.907-911
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204586
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 41歳,女性.内痔核の手術後よりプロクトセディル®軟膏を使用していた.その5日後より手背・頸部に瘙痒を伴う皮疹が出現したため,すべての薬剤を中止し,ステロイド外用剤による加療を受けたが,改善しなかったため受診した.露光部に一致して浮腫性紅斑と水疱を認め,最少反応量の低下もみられたことから,光線過敏症と診断した.治癒後,原因検索のため,使用していた内服薬・外用薬の光貼布試験を施行した.プロクトセディル®軟膏と,その成分である塩酸ジブカインは,いずれも非照射部で陰性,UVA照射部で陽性であった.以上より,軟膏に含まれた塩酸ジブカインによる光線過敏型薬疹であると診断した.粘膜に外用する薬剤は吸収されやすく,全身投与と同じように激しい症状を呈する可能性があり,注意が必要である.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.