Japanese
English
症例報告
塩酸チリソロールによる光線過敏型薬疹の1例
A case of photosensitive drug eruption induced by tilisolol hydrochloride
岳尾 基一
1
,
筒井 清広
1
Motokazu TAKEO
1
,
Kiyohiro TSUTSUI
1
1金沢大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
塩酸チリソロール
,
光線過敏型薬疹
Keyword:
塩酸チリソロール
,
光線過敏型薬疹
pp.971-973
発行日 1996年11月1日
Published Date 1996/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902014
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
76歳,女性.高血圧のため塩酸チリソロール(ダイム®)を内服開始約7ヵ月後に露光部に掻痒を伴う紅斑が出現.光照射試験ではUV-Bおよび可視光線に対する過敏性は認められなかったが,UV-A 2.6J/cm2照射で紅斑が誘発された.同剤の内服を中止し,光過敏性の消失を確認後,UV-A 3.9J/cm2を照射した光貼布試験では,ダイム®錠1〜20%含有日色ワセリン貼布部位に陽性反応が認められた.対照とした正常人5人では光貼布試験はいずれも陰性であった.常用量(20mg)およびその1/10量(2mg)の塩酸チリソロールを投与した内服照射試験では,いずれも照射部位に紅斑が誘発された.以上の成績より本症例を塩酸チリソロールによる光線過敏型薬疹と診断した.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.