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特集 最近のトピックス1995 Clinical Dermatology 1995
IV 治療のポイント
ステロイド内服療法が適応となる場合
円形脱毛のステロイド内服療法
Systemic steroid therapy for alopecia areata
高島 巌
1
Iwao TAKASHIMA
1
1廣仁会札幌皮膚科クリニック
1Kohjinkai Sapporo Dermatology Clinic
キーワード:
円形脱毛
,
ステロイド全身投与
,
トリアムシノロン
Keyword:
円形脱毛
,
ステロイド全身投与
,
トリアムシノロン
pp.162-163
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901535
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- Abstract 文献概要
円形脱毛の治療で,ステロイドは免疫抑制剤に属し,病的浸潤細胞であるhelper T-cellを減少させてcytokineのはたらきを遮断する.この点が,supressor T-cellの遊走を促してCD 4/CD 8のバランスを正常化する免疫増強剤との作用機序の相違点である。円形脱毛に対する全身的ステロイド投与には,おもにトリアムシノロンを1日量最高3錠程度,通常は1〜2錠で,必要があれば年余にわたって,硬毛の発毛をみるまで,外用療法と併用して用いる.筆者の外来における232例の円形脱毛のうち,ステロイド全身投与の対象となったのは52例(22.4%)であり,普通型で20%,難治型で9.1%が治癒した.通常のステロイド外用療法に反応しない例が対象とされるため有効率は低いが,難治の円形脱毛の治療法の一つとして取り上げられるべきものと考える.
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