Japanese
English
臨床研究
重症円形脱毛症に対するトリアムシノロン内服療法
-―当科15年間での30例の治療成績―
Oral triamcinolone therapy for severe alopecia areata
―Study of 30 patients during the past 15 years at our hospital―
橋本 喜夫
1
,
小松 成綱
1
,
本間 大
2
Yoshio HASIMOTO
1
,
Shigetsuna KOMATSU
1
,
Masaru HONMA
2
1旭川厚生病院,皮膚科
2旭川医科大学,国際医療支援センター,教授
キーワード:
円形脱毛症
,
トリアムシノロン内服療法
,
Rokhsarらの判定基準
Keyword:
円形脱毛症
,
トリアムシノロン内服療法
,
Rokhsarらの判定基準
pp.591-594
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003895
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2006年3月~2020年3月に当科を受診した円形脱毛症患者のうち,他の治療に反応しない重症円形脱毛症30例に対して患者とのコミュニケーションを十分にとり,副作用を十分に留意しながらトリアムシノロン内服療法を施行した。Rokhsarらの判断基準を用いて70%以上の患者で脱毛面積の30~90%以上に発毛がみられた。この判定はステロイド減量・中止後の再発・悪化を反映しないので,治療開始量でcomplete response(CR)が得られ,漸減し4mg/日未満でもなおCRを維持した症例を有用(U)と判定した。CRを維持し有用な症例(CR+U)は33.3%だった。糖尿病,高血圧症,骨粗鬆症などの重篤な副作用はみられていない。JAK阻害薬などの新規薬剤とともに,重症円形脱毛症のステロイド内服療法も治療選択肢のひとつである。
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