Japanese
English
症例報告
ステロイド全身投与が奏効した苺状血管腫の1例
A Case of Strawberry Mark Successfully Treated with Systemic Steroids
西條 忍
1
,
只木 行啓
1
,
照井 正
1
,
加藤 泰三
1
,
菅野 陳一郎
2
,
原 敏
2
,
田上 八朗
1
Shinobu SAIJO
1
,
Takayoshi TADAKI
1
,
Tadashi TERUI
1
,
Taizo KATO
1
,
Chinichiro KANNO
2
,
Satoshi HARA
2
,
Hachiro TAGAMI
1
1東北大学医学部皮膚科学教室
2東北大学医学部眼科学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
2Department of Ophthalmology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
苺状血管腫(capillary hemangioma)
,
眼窩
,
ステロイド全身投与
Keyword:
苺状血管腫(capillary hemangioma)
,
眼窩
,
ステロイド全身投与
pp.141-144
発行日 1990年2月1日
Published Date 1990/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900030
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左こめかみの皮下型苺状血管腫の1例を報告した.症例は1カ月女児で左こめかみの皮下腫瘤に加えて左頬部に苺状血管腫を伴っていた.皮下腫瘤は組織学的にcapillary hemangiomaであることを確かめた.CTでは,左側頭窩と左頬部との軟部組織陰影とともに左外眼筋肥厚様の眼窩内腫瘤陰影を認めた.眼窩内腫瘤による左眼球突出・兎眼のため視力障害を残すおそれがあったので,ステロイドを内服させた.生後2カ月の時初回量ベタメサゾン0.5mg/日で開始して漸減し,8カ月間投与した.治療によりCT上の陰影はすみやかに縮小し,眼球突出がなくなり,視力をそこなわずにすんだ.問題となるようなステロイドの副作用はおこらず,中止後も再増悪しなかった.
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