特集 意外と知らないステロイドの知識
主な耳鼻咽喉科疾患におけるステロイドの使い方
めまいに対するステロイド療法
堀井 新
1
Arata Horii
1
1新潟大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
ステロイド薬
,
めまい
,
ステロイド鼓室内注入術
,
ステロイド全身投与
Keyword:
ステロイド薬
,
めまい
,
ステロイド鼓室内注入術
,
ステロイド全身投与
pp.391-393
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000523
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はじめに
グルココルチコイドは,さまざまなストレス(手術,事故,感染症,恐怖,痛みなど)により視床下部・下垂体系を介して副腎皮質から血中に放出される。グルココルチコイド受容体は免疫系のみならず,筋肉,骨,脂肪,心血管,肝,膵,腎,中枢神経系,内分泌系など全身の組織に発現しており,主にストレスに対する応答作用(血糖値,心拍の増加,覚醒,感覚の鋭敏化)および過剰反応や身体侵襲の抑制作用(抗免疫・抗炎症作用)を発揮する。診療の現場ではステロイドの持つこれらの多彩な作用のうち,後者の抗免疫・抗炎症作用を利用して,膠原病や気管支喘息,潰瘍性大腸炎やクローン病,アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎,腎疾患などさまざまな疾患に使用され,高い効果を発揮する1)。
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