Japanese
English
症例報告
口腔粘膜病変を伴った肉芽腫性口唇炎の1例
A case of cheilitis granulomatosa with oral mucosal lesion
市川 尚子
1
,
和泉 達也
1
Naoko ICHIKAWA
1
,
Tatsuya IZUMI
1
1練馬総合病院皮膚科
1Department of Dermatology,Nerima General Hospital
キーワード:
肉芽腫性口唇炎
,
扁平苔癬様粘膜疹
Keyword:
肉芽腫性口唇炎
,
扁平苔癬様粘膜疹
pp.994-996
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100280
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要約
29歳,女性.1年前より下口唇に持続性腫脹が出現し,下口唇内側の粘膜に白色顆粒状病変と線状の潰瘍を伴っていた.組織学的には基底層直下に帯状の細胞浸潤,粘膜固有層深部に島嶼状細胞塊を認め,これらは非乾酪性肉芽腫を形成しており,肉芽腫性口唇炎と診断した.皺襞舌,顔面麻痺,Crohn病を示唆する所見は認めず,サルコイドーシスの診断基準も満たさなかった.プレドニゾロン10mg/日およびトラニラスト300mg/日内服の併用にて,口唇の腫脹および粘膜疹は改善した.基底層直下の稠密な細胞浸潤が,本症例の非定型的な扁平苔癬様粘膜疹を形成したと考えられた.肉芽腫性口唇炎は現在,複数の病態を包括した病名となっており,病因に基づいた疾患概念の整理が望まれる.
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