Japanese
English
症例報告
サルコイドーシスにみられた肉芽腫性口唇炎
Granulomatous cheilitis in a patient with sarcoidosis
西岡 昭二
1
,
津田 眞五
1
,
田中 克己
1
,
駒井 礼子
1
,
宮里 稔
1
,
笹井 陽一郎
1
Shoji NISHIOKA
1
,
Shingo TSUDA
1
,
Katsumi TANAKA
1
,
Ayako KOMAI
1
,
Minoru MIYASATO
1
,
Yoichiro SASAI
1
1久留米大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine
キーワード:
サルコイドーシス
,
肉芽腫性口唇炎
,
浮腫結合性肉芽腫症
,
診断基準
Keyword:
サルコイドーシス
,
肉芽腫性口唇炎
,
浮腫結合性肉芽腫症
,
診断基準
pp.629-632
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901598
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15歳,男子のサルコイドーシス患者に生じた肉芽腫性口唇炎を報告した.初診の1年前よりとくに誘因なく上口唇が,半年前より下口唇が持続性に腫脹した.病理組織学的には類上皮細胞やリンパ球より構成された非乾酪性肉芽腫であった.またツ反陰性,気管支肺胞洗浄液の総細胞とリンパ球数増加,CD4/CD8比上昇,および血清リゾチーム値上昇などからサルコイドーシスと診断した.しかし肺門リンパ節腫脹はなく,アンジオテンシン転換酵素の上昇もなかった.肉芽腫性口唇炎の病名は自験例のような病態に限って用いられるべきで,Melkersson-Rosenthal症候群や肉芽腫性口唇炎(Miescher)などでは,サルコイド反応がみられても“浮腫結合性肉芽腫症”としたほうが病名に混乱がないように思われた.またサルコイドーシスの診断に際して,皮膚(粘膜)症状としての肉芽腫性口唇炎の病型分類上の位置づけに疑問が残った.
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