Japanese
English
症例報告
COX-2選択的阻害薬で治療した再発性多発軟骨炎の1例
A case of relapsing polychondritis treated with a COX-2 inhibitor
平福 啓一伍
1
,
宮田 義久
2
,
遠藤 幸紀
1
Keigo HIRAFUKU
1
,
Yoshihisa MIYATA
2
,
Koki ENDO
1
1東京慈恵会医科大学柏病院皮膚科
2みやた皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, The Jikei University Kashiwa Hospital, Kashiwa, Japan
2Miyata Dermatology Clinic, Matsudo, Japan
キーワード:
再発性多発軟骨炎
,
NSAIDs
,
COX-2選択的阻害薬
,
セレコキシブ
,
抗Ⅱ型コラーゲン抗体
Keyword:
再発性多発軟骨炎
,
NSAIDs
,
COX-2選択的阻害薬
,
セレコキシブ
,
抗Ⅱ型コラーゲン抗体
pp.829-834
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207414
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要約 55歳,男性.初診の2か月前より両側耳介の腫脹,疼痛が出現したため近医を受診.抗菌薬を処方されるも改善せず当科を受診した.初診時,両側耳介に限局した発赤,腫脹がみられ,熱感,圧痛を伴っていた.皮膚生検では真皮と軟骨の境界部に少数のリンパ球浸潤が確認された.また抗Ⅱ型コラーゲン抗体価の上昇を認めた.以上より自験例を再発性多発軟骨炎と診断した.自験例は症状が耳介に限局しており,中等症と診断した.耳介の疼痛が強く,当初はステロイド全身療法も検討したが未治療の糖尿病が判明したため,腎障害や消化管障害のリスクのより低いCOX-2選択的阻害薬であるセレコキシブを選択した.セレコキシブの内服を開始したところ6週間で症状は改善した.他症状の続発に注意する必要があるがCOX-2選択的阻害薬は再発性多発軟骨炎の治療選択肢となりうる.
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