Japanese
English
症例報告
トリクロロ酢酸が奏効したドーナツ疣贅の1例
A case of doughnut wart successfully treated with trichloroacetic acid application
山崎 圭介
1
,
島内 隆寿
1,2
,
藤山 俊晴
1
,
伊藤 泰介
1
,
本田 哲也
1
Keisuke YAMAZAKI
1
,
Takatoshi SHIMAUCHI
1,2
,
Toshiharu FUJIYAMA
1
,
Taisuke ITO
1
,
Tetsuya HONDA
1
1浜松医科大学医学部皮膚科学講座
2浜松北病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
2Division of Dermatology, Hamamatsu Kita Hospital, Hamamatsu, Japan
キーワード:
ドーナツ疣贅
,
尋常性疣贅
,
トリクロロ酢酸
,
液体窒素凍結療法
Keyword:
ドーナツ疣贅
,
尋常性疣贅
,
トリクロロ酢酸
,
液体窒素凍結療法
pp.969-974
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206825
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要約 32歳,男性.左手掌の尋常性疣贅に対し液体窒素凍結療法を施行した.治療翌日から2日後に,疣贅周囲に血疱を形成したため,血疱内容物の穿刺吸引を施行した.10日後には同部位は上皮化し,中央の疣贅はいったん消退した.しかし,約2か月後には血疱形成部位にドーナツ疣贅として再発した.マキサカルシトール軟膏外用を2週間実施するも難治であったため,ヨクイニン内服と70%トリクロロ酢酸(TCA)の週1回外用を開始した.治療開始1週間後より疣贅周囲に僅かな落屑を伴う紅斑を認め,7週間後には疣贅は完全に消退した.TCA外用は,本邦における尋常性疣贅診療ガイドライン上推奨度C1に設定されているが,凍結療法後のドーナツ疣贅に対する治療選択肢の1つになりうると考えた.
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