Japanese
English
症例報告
悪性リンパ腫寛解後に発症した線状IgA水疱性皮膚症の1例
A case of linear IgA bullous dermatosis occurring after remission of malignant lymphoma
森下 ナオミ
1
,
島内 隆寿
1
,
福田 萌
1
,
中澤 慎介
1
,
古賀 浩嗣
2
,
石井 文人
2
,
伊藤 泰介
1
,
本田 哲也
1
Naomi MORISHITA
1
,
Takatoshi SHIMAUCHI
1
,
Moe FUKUTA
1
,
Shinsuke NAKAZAWA
1
,
Hiroshi KOGA
2
,
Norito ISHII
2
,
Taisuke ITO
1
,
Tetsuya HONDA
1
1浜松医科大学医学部皮膚科学講座
2久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
2Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
キーワード:
線状IgA水疱性皮膚症
,
抗Ⅶ型コラーゲン抗体
,
sublamina densa型
,
ジアフェニルスルホン
,
悪性リンパ腫
Keyword:
線状IgA水疱性皮膚症
,
抗Ⅶ型コラーゲン抗体
,
sublamina densa型
,
ジアフェニルスルホン
,
悪性リンパ腫
pp.907-912
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207432
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要約 68歳,女性.初診7年前にMALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫の診断で加療され2年前より寛解を維持していた.初診3日前より全身に緊満性水疱や浮腫性紅斑が出現し,当科を受診した.病理組織学的に表皮下水疱と好中球主体の細胞浸潤を認めた.蛍光抗体直接法では表皮基底膜部にIgAが線状に沈着しており,1M食塩水剝離皮膚を基質とした蛍光抗体間接法で,真皮側にIgAの反応が認められた.Ⅶ型コラーゲンリコンビナント蛋白を抗原としたELISA法では患者IgAが陽性を示した.抗Ⅶ型コラーゲンsublamina densa型の線状IgA水疱性皮膚症(linear IgA bullous dermatosis : LABD)と診断し,ジアフェニルスルホン75 mg/日で治療開始,2週間ほどで水疱や紅斑は消失した.自験例を含めた国内外におけるLABDとリンパ増殖性疾患の合併報告21例のうち12例は両者が同時期に発症していたが,8例はリンパ増殖性疾患発症後にLABDを発症していた.8例中,寛解中にLABDを発症した症例は4例あった.リンパ増殖性疾患は寛解後であっても,LABDの誘因となる可能性が示唆される.
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