Japanese
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臨床統計
薬剤性過敏症症候群の軽快後にみられる自己抗体産生の増強
Enhanced production of autoantibodies following resolution of drug-induced hypersensitivity syndrome
石田 正
1
,
稲岡 峰幸
1
,
平原 和久
1
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Tadashi ISHIDA
1
,
Miyuki INAOKA
1
,
Kazuhisa HIRAHARA
1
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
自己抗体
,
薬剤性過敏症症候群
,
自己免疫疾患
,
Epstein-Barrウイルス
Keyword:
自己抗体
,
薬剤性過敏症症候群
,
自己免疫疾患
,
Epstein-Barrウイルス
pp.260-264
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102542
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要約 薬剤性過敏症症候群(DIHS)では,1型糖尿病や甲状腺疾患などのさまざまな自己免疫疾患が続発することが知られている.今回われわれは,多数のDIHS症例において治療後も経時的に自己抗体(抗核抗体:ANA,抗TPO抗体:TPOAb)を測定することにより,DIHSにおける自己免疫反応の変化を検討した.その結果,DIHSでは急性期よりも回復期のほうが自己抗体陽性率が高いことが確認された(ANA陽性率:急性期33.3%→回復期46.1%,TPOAb陽性率:発症時0.0%→回復期46.1%).さらに,その抗体価を経時的に比較検討してみると,ANAでは8例中3例,TPOAbでは5例中2例で上昇を認めた.このような上昇はコントロールとして用いたStevens-Johnson症候群と中毒性表皮壊死症ではみられなかった.以上の結果は,DIHSが自己免疫疾患発症の誘因となる可能性を示唆している.DIHS患者では,治療後も自己抗体の検索を含む長期間の経過観察が必要と思われる.
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