Japanese
English
症例報告
片側性に皮疹を認めたgeneralized morpheaの1例—発症についての一仮説
Generalized morphea localized on the right side of the body, with a hypothesis for the pathogenesis
鈴木 洋介
1
,
山本 哲也
1
,
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Yosuke SUZUKI
1
,
Tetsuya YAMAMOTO
1
,
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
generalized morphea
,
ウイルス再活性化
Keyword:
generalized morphea
,
ウイルス再活性化
pp.1124-1126
発行日 1999年12月1日
Published Date 1999/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903079
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右半身のみに皮疹を認めたgeneralized morpheaの55歳女性例を報告した.皮疹の新生は初診の8年前と2年前および8か月前の限られた時期にみられ,2か月ほどで形成されていた.その後の拡大は全く見られていない.皮疹は斑状および線状の色素沈着を伴う硬化性局面で体の右側のみにみられ,上下肢では神経支配走行にほぼ一致していた.Raynaud現象や舌小帯の短縮は認めない.抗ss-DNA抗体陽性.近年,全身性エリテマトーデス,慢性関節リウマチ,強皮症などの膠原病の発症や増悪の誘因として,ウイルス感染やその再活性化の関与が示唆されている.本症例の皮疹の特異な分布と出現の特徴から,誘発因子として,潜伏感染しているウイルスの再活性化の関与が推測された.しかし,調べ得た限り有意なウイルス抗体価の変動は認められず,今後皮疹の新生を認めた際にはウイルスの再活性化の関与を考え,改めて検討していく必要がある.
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