Japanese
English
症例報告
妊娠性類天疱瘡の1例—好中球リンパ球比と相関する因子についての考察
A case of pemphigoid gestationis : A study of factors correlated with neutrophil-lymphocyte ratio
木村 温子
1
,
滝吉 典子
1
,
原 憲司
1
,
千代谷 成史
2
,
中野 創
3
,
澤村 大輔
3
,
原田 研
1
Atsuko KIMURA
1
,
Noriko TAKIYOSHI
1
,
Kenji HARA
1
,
Shigehito CHIYOYA
2
,
Hajime NAKANO
3
,
Daisuke SAWAMURA
3
,
Ken HARADA
1
1青森県立中央病院皮膚科
2千代谷皮膚科
3弘前大学大学院医学研究科皮膚科学講座
1Division of Dermatology, Aomori Prefectural Central Hospital, Aomori, Japan
2Chiyoya Dermatology Clinic, Aomori, Japan
3Department of Dermatology, Hirosaki Graduate School of Medicine, Hirosaki, Japan
キーワード:
妊娠性類天疱瘡
,
BPDAI
,
抗BP180抗体
,
好中球リンパ球比
,
プレドニゾロン
Keyword:
妊娠性類天疱瘡
,
BPDAI
,
抗BP180抗体
,
好中球リンパ球比
,
プレドニゾロン
pp.557-562
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207354
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要約 27歳,女性.妊娠33週の初妊婦.初診の1週間前に前腕部の水疱を自覚し,徐々に範囲が拡大した.諸検査の結果,妊娠性類天疱瘡と診断.プレドニゾロン50 mg/日内服で治療開始したところ症状は漸次軽快,妊娠38週で自然分娩にて健常女児を出産した.本邦における2007年以降の妊娠性類天疱瘡の報告例を基に,初診時における好中球リンパ球比(neutrophil-to-lymphocyte ratio:NLR)と抗BP180抗体価,臨床経過,予後との相関を検討したところ,NLRは抗BP180抗体価と相関していたが,臨床経過,予後には相関しなかった.妊娠性類天疱瘡の初期治療におけるステロイド投与量の決定に際しては,好中球リンパ球比はあくまでも参考程度にとどめるべきことがうかがえた.妊娠性類天疱瘡におけるステロイドの初期投与量は,迅速に決定するのと同時に母子にとって適切な量である必要があり,産科や糖尿病内科など他科との連携がきわめて重要である.
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