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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020
4.皮膚疾患治療のポイント
薬剤性過敏症症候群の治療と予後
Drug-induced hypersensitivity syndrome/drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms:recent advances in management and progrosis
水川 良子
1
,
塩原 哲夫
1
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
薬剤性過敏症症候群
,
CMV再活性化
,
ステロイド治療
,
減量法
Keyword:
薬剤性過敏症症候群
,
CMV再活性化
,
ステロイド治療
,
減量法
pp.98-102
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206031
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summary
薬剤性過敏症症候群は,何も治療を要さない軽症例から,致死的な合併症を発症する難治例まで極めて幅広い病態を呈し,初期の対応の間違えが,致命的な結果をもたらす.少数の経験例を元にさまざまな治療法が提唱されているが,多数例の後ろ向き解析から治療の予後について論じた研究はない.われわれは10年間にわたり,初期の段階から軽快後も1年以上経過を観察できた55症例を詳細に検討し,通常外来で得られる臨床情報をもとに臨床スコア(早期,後期)を作成した.その早期スコアに基づき,初期に軽症(1>),中等症(1〜3),重症(4<)に層別化することで,後で生じる合併症や難治例のほとんどは予知できること,しかも合併症のほとんどにはCMVの再活性化が関与しており,抗CMV治療を早期に行うことで救命しうることを明らかにした.急性期に有用と思われたステロイドパルスは,長期予後から見て好ましくないことも明らかになった.
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