Japanese
English
症例報告
ブロダルマブ投与中にCrohn病様腸炎を生じた尋常性乾癬の1例
A case of psoriasis vulgaris which developed Crohn's disease-like colitis during brodalumab treatment
山根 万里子
1
,
林 宏明
1
,
松本 啓志
2
,
青山 裕美
1
Mariko YAMANE
1
,
Hiroaki HAYASHI
1
,
Hiroshi MATSUMOTO
2
,
Yumi AOYAMA
1
1川崎医科大学附属病院皮膚科学
2川崎医科大学附属病院消化器内科学
1Department of Dermatology, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan
2Department of Gastroenterology, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan
キーワード:
IL-17阻害薬
,
炎症性腸疾患
,
尋常性乾癬
,
Crohn病
,
ブロダルマブ
Keyword:
IL-17阻害薬
,
炎症性腸疾患
,
尋常性乾癬
,
Crohn病
,
ブロダルマブ
pp.509-515
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207341
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要約 36歳,女性.尋常性乾癬に対しブロダルマブを導入した.投与開始33か月後に発熱,腹痛,嘔吐,下痢を認めた.血液検査で炎症反応の上昇あり,上腹部CTで回腸末端を中心に強い壁肥厚を占める腸炎所見あり.内視鏡検査で回腸末端部に大小さまざまな不整形の深い潰瘍が多発していた.各種培養検査は陰性だった.自験例はIL-17受容体A阻害薬の使用歴から,ブロダルマブによるCrohn病様腸炎と診断した.炎症性腸疾患の既往や合併症はなく,IL-17阻害薬投与によりde novo誘発されたと考えた.IL-17阻害薬の使用においては炎症性腸疾患のde novo誘発を惹起,もしくは悪化させる可能性が指摘されているが,ブロダルマブ誘発Crohn病様腸炎例の皮膚科からの症例報告は自験例が本邦初である.IL-17阻害薬を使用時の注意喚起のため報告した.
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