Japanese
English
症例報告
尋常性乾癬に対するブロダルマブ治験中に肺化膿症を生じた1例
A case of psoriasis vulgaris who developed pulmonary abscess during clinical trial of brodalumab
川口 亜美
1
,
国本 佳代
1
,
三木田 直哉
1
,
神人 正寿
1
,
金澤 伸雄
1
Ami KAWAGUCHI
1
,
Kayo KUNIMOTO
1
,
Naoya MIKITA
1
,
Masatoshi JINNIN
1
,
Nobuo KANAZAWA
1
1和歌山県立医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
キーワード:
尋常性乾癬
,
ブロダルマブ
,
肺化膿症
Keyword:
尋常性乾癬
,
ブロダルマブ
,
肺化膿症
pp.763-769
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205521
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要約 64歳,男性.35歳頃に尋常性乾癬を発症し,広範な皮疹に対するGoeckerman療法やUVA1療法,メトトレキサート内服により症状は中等症でほぼ固定していた.60歳時,ブロダルマブの治験に参加するためメトトレキサート内服を中止したところ1か月後にPASIの上昇を認めたが,治験開始後ブロダルマブ210mg・2週間毎の投与で,6週間後にPASIクリアを達成し,寛解を維持できた.治験開始41か月後,特に誘因なく咳嗽と左胸痛が出現.炎症所見の上昇と左中肺野の空洞病変を認め,肺化膿症と診断した.ブロダルマブを中止し,スルタミシリントシル酸塩水和物内服を2週間行ったところ肺化膿症は改善したが皮疹が急激に再燃してきたため,18日後にブロダルマブを再開した.皮疹は速やかに消失し,肺野の空洞病変も縮小を続けた.ブロダルマブと肺化膿症の直接の関係性を完全に証明することは難しいものの今後の自己注射の導入などを考えると管理のうえで注意する必要がある.
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