Japanese
English
症例報告
尋常性天疱瘡から移行した落葉状天疱瘡にリツキシマブが奏効した1例
A case of pemphigus vulgaris transitioning to pemphigus foliaceus successfully treated with rituximab
桑折 信重
1
,
白石 研
1
,
八束 和樹
1
,
林 真衣子
1
,
吉田 諭
1
,
武藤 潤
1
,
村上 正基
1
,
藤澤 康弘
1
Nobushige KOHRI
1
,
Ken SHIRAISHI
1
,
Kazuki YATSUZUKA
1
,
Maiko HAYASHI
1
,
Satoshi YOSHIDA
1
,
Jun MUTO
1
,
Masamoto MURAKAMI
1
,
Yasuhiro FUJISAWA
1
1愛媛大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Ehime University Hospital, Touon, Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
落葉状天疱瘡
,
リツキシマブ
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
落葉状天疱瘡
,
リツキシマブ
pp.501-507
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207340
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要約 68歳,女性.当科初診2か月前から咽頭の違和感を自覚した.その後,口腔内にびらん・潰瘍が出現し,皮膚にも水疱・びらんを認め,前医を受診した.尋常性天疱瘡が疑われ当科を紹介され受診した.抗デスモグレイン(Dsg)1および3抗体価が高値であり,生検組織で基底膜直上に表皮内水疱を認め,内部に好酸球浸潤・棘融解細胞がみられた.蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgG・C3の沈着を認め,粘膜皮膚型尋常性天疱瘡と診断した.ステロイドパルス,プレドニゾロン,アザチオプリン,血漿交換,免疫グロブリン大量静注療法で一時寛解するも,8か月後皮疹が再燃した.再燃時は粘膜疹を欠き抗Dsg1抗体価のみ上昇していたことから落葉状天疱瘡に移行したと判断した.治療再開で寛解するもプレドニゾロン減量で再燃したため,2回目の再燃時にリツキシマブ(RTX)を併用し,病勢は良好にコントロールされプレドニゾロンの減量が可能となった.RTXの効果持続期間は6か月から12か月とされるため効果減弱前に再投与を検討している.自験例のようにPSL減量困難な難治性天疱瘡に対してはRTX投与を積極的に検討すべきと考える.
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