Japanese
English
症例報告
線状を呈した陰茎部Fordyce状態の1例
A case of Fordyce spots on penile shaft showing linear distribution
宜野座 淳善
1
,
川野 貴代
1
,
布袋 祐子
1
Atsuyoshi GINOZA
1
,
Takayo KAWANO
1
,
Yuko FUTEI
1
1荻窪病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
異所性脂腺増殖
,
陰茎
,
口腔内
,
Fordyce状態
Keyword:
異所性脂腺増殖
,
陰茎
,
口腔内
,
Fordyce状態
pp.517-521
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207342
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 54歳,男性.初診1日前より陰茎部および頰粘膜の小丘疹に気づき当科を受診した.初診時,陰茎部に自覚症状を伴わない1 mm前後の常色から黄白色丘疹が主に皺に一致して線状に多発していた.さらに口唇辺縁にも黄白色の丘疹がみられた.陰茎部のダーモスコピー像では白色から黄白色の小球が皺に一致し,皺との間にも同様の小球がみられた.同部位から生検した病理組織所見では毛包付属器を伴わない複数の脂腺が直接表皮に開口しており,臨床と併せFordyce状態と診断した.自験例のように線状を呈したFordyce状態の報告数は少なく,3例のみであった.その発生機序は不明であるが,外用剤に含まれた成分による脂腺増生の可能性が示唆された.特徴的な分布を呈するFordyce状態を診察した際は,外用剤の使用を含めた生活習慣について聴取し,可能性のある要因を極力排除するよう生活指導を行うことが重要と考えた.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.