Japanese
English
症例報告
背部の皮疹の性状から抗SAE抗体を検出しえた皮膚筋炎の1例
A case of dermatomyositis in which anti-SAE autoantibodies were detected by the skin rash on the back
小笠原 渚
1
,
福山 雅大
1
,
佐藤 洋平
1
,
小西 里沙
2
,
市村 裕輝
2
,
水川 良子
1
,
沖山 奈緒子
2
,
大山 学
1
Nagisa OGASAWARA
1
,
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Yohei SATO
1
,
Risa KONISHI
2
,
Yuki ICHIMURA
2
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Naoko OKIYAMA
2
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2東京医科歯科大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Dermatology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University, Medical Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚筋炎
,
抗SAE抗体
,
びまん性紅斑
,
間質性肺疾患
,
悪性腫瘍
Keyword:
皮膚筋炎
,
抗SAE抗体
,
びまん性紅斑
,
間質性肺疾患
,
悪性腫瘍
pp.477-481
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207335
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要約 64歳,女性.初診3か月前より顔面の皮疹を自覚した.ステロイド外用を行うも難治のため当科を初診した.受診時,前額部や頰部,下顎に紅斑がみられた.右下背部では広範囲に紅斑を認めた.手指にはGottron丘疹や爪囲紅斑がみられた.また顔面表情筋の筋力低下を示唆する開口障害を呈していた.皮膚筋炎を疑い,抗ARS,Mi-2,MDA5,TIF1-γ抗体を測定したが陰性であった.免疫沈降-ウェスタンブロット法にて抗SAE抗体が陽性となった.病理組織学的所見も合わせ,抗SAE抗体陽性皮膚筋炎と診断した.プレドニゾロン(PSL)50 mg/日の内服を開始し,皮疹や筋症状は改善傾向となった.現在PSL 11 mg/日まで漸減し,症状の再燃はない.自験例は抗SAE抗体陽性皮膚筋炎に特徴的なangel-wings徴候に類似した皮疹がみられた.皮膚筋炎では保有する抗体ごとに臨床像が異なることが知られる.保険収載の抗体検査が陰性であっても積極的に自己抗体を検索する必要があると考えた.
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