Japanese
English
症例報告
ヒドロキシクロロキンにより良好な臨床経過を得た深在性エリテマトーデスの1例
A case of lupus erythematosus profundus successfully treated with hydroxychloroquine
桜 莉唯心
1
,
杉山 由華
1
,
高木 正之
2
,
戸倉 新樹
3
Riiko SAKURA
1
,
Yuka SUGIYAMA
1
,
Masayuki TAKAGI
2
,
Yoshiki TOKURA
3
1独立行政法人国立病院機構静岡医療センター皮膚科
2独立行政法人国立病院機構静岡医療センター病理診断科
3浜松医科大学細胞分子解剖学
1Division of Dermatology, Shizuoka Medical Center, Shizuoka, Japan
2Division of Pathology, Shizuoka Medical Center, Shizuoka, Japan
3Department of Cellular & Molecular Anatomy, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
キーワード:
深在性エリテマトーデス
,
ヒドロキシクロロキン
,
プレドニゾロン
Keyword:
深在性エリテマトーデス
,
ヒドロキシクロロキン
,
プレドニゾロン
pp.471-475
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207334
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要約 16歳,女性.20XX年に右上腕に皮下硬結を自覚し,他部位にも同病変が現れ,紹介医を受診した.血液検査では,dsDNAの軽度高値以外に異常所見はなかった.左上腕より皮膚生検し,リンパ球を中心とする炎症細胞が皮下脂肪組織の小葉中心性に浸潤していた.深在性エリテマトーデスと診断し,プレドニゾロン(PSL)20 mg/日内服を開始した.1か月後より経過観察を当院で行うこととなり,初診時,右上腕,左上腕,左大腿にそれぞれ硬結を認めた.ヒドロキシクロロキン(HCQ)200 mg/日内服を追加し,皮下硬結の縮小を認めたため,PSLを漸減した.現在HCQ 200 mg/日を継続しているが,皮下硬結は消退または一部消失している.LEPはエリテマトーデスの比較的稀な一型であり,経過中に脂肪組織の変性の程度に応じて種々の陥凹を呈する.HCQの使用により陥凹への進展を避けつつ,免疫抑制剤の早期減量を行うことは,特に成長期・若年者の患者には重要なことであり,早期のHCQ使用を考慮すべきである.
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