Japanese
English
症例報告
咽頭症状を契機に下咽頭浸潤が発見された菌状息肉症の1例
A case of mycosis fungoides with hypopharyngeal invasion diagnosed by pharyngeal symptoms
齋川 真子
1
,
金子 高英
1
,
宮田 彩可
1
,
髙森 建二
1
,
中山 拓己
2
,
肥後 隆三郎
2
,
須賀 康
1
Mako SAIKAWA
1
,
Takahide KANEKO
1
,
Ayaka MIYATA
1
,
Kenji TAKAMORI
1
,
Takumi NAKAYAMA
2
,
Ryuzaburo HIGO
2
,
Yasushi SUGA
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科
2順天堂大学医学部附属浦安病院耳鼻咽喉科
1Department of Dermatology, Juntendo University Urayasu Hospital, Urayasu, Japan
2Department of Otorhinolaryngology-Head and Neck Surgery, Juntendo University Urayasu Hospital, Urayasu, Japan
キーワード:
菌状息肉症
,
咽頭浸潤
,
咽頭症状
,
ベキサロテン
Keyword:
菌状息肉症
,
咽頭浸潤
,
咽頭症状
,
ベキサロテン
pp.411-418
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207321
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要約 46歳,男性.約20年前に軀幹より生じた紅斑が全身に拡大していたが,放置していた.数か月前より左腰部に表面に潰瘍を伴う腫瘤が出現.前医を受診し,精査加療目的に当科紹介となった.皮膚病理所見では,表皮から真皮にかけてCD4陽性異型リンパ球が稠密に浸潤していた.画像検査にて内臓病変を認めなかったため,菌状息肉症(mycosis fungoides : MF)のⅡB期(T3N0M0)と診断.ベキサロテン導入,局所放射線照射目的で入院となった.直前に咽頭の違和感を自覚し,その後,咽頭痛,湿性咳嗽が悪化.喉頭内視鏡所見にて左披裂部に白色腫瘤を認め,生検の結果,MFの下咽頭浸潤と診断した.ⅣB期(T3N0M1)と病期診断を変更し,ベキサロテン中止,CHOP療法を開始した.その後同種造血幹細胞移植のため転院となった.嚥下障害など重篤な症状でなくとも,軽微な咽頭症状がMFの咽頭浸潤の初期症状であることもあり,MFに咽頭症状がみられた際には,咽頭浸潤の可能性も想起すべきである.
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