Japanese
English
症例報告
小児に発生したdermal schwannomaの1例—Dermal schwannoma内外報告例の臨床・組織学的特徴
A case of dermal schwannoma in a child : Clinicopathological characteristics of reported cases of dermal schwannomas
佐々木 直起
1,2
,
長谷川 道子
1
,
田村 敦志
1
Naoki SASAKI
1,2
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
皮膚神経鞘腫
,
dermal schwannoma
,
蔓状神経鞘腫
,
小児
Keyword:
皮膚神経鞘腫
,
dermal schwannoma
,
蔓状神経鞘腫
,
小児
pp.237-240
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207225
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要約 9歳,男児.初診の4,5年前に気づいた腹部の小結節が,徐々に増大し当科を受診した.初診時,右側腹部に弾性硬で表面に凹凸と光沢のある10×8 mmの淡紅褐色結節と隣接する径2.5 mmの小結節を認めた.小児のため経過観察としたが,その後も増大したため10歳で局所麻酔下に切除した.切除標本組織像では真皮全層に連なるように多数の腫瘍塊があり,Verocay bodyの存在から,蔓状神経鞘腫と診断した.真皮内に発生する神経鞘腫はdermal schwannomaと呼ばれることがあるが,その臨床・組織学的特徴はあまり知られていない.これまで国内外で報告されたdermal schwannoma 24例について検討したところ,組織学的には神経鞘腫としては稀とされる蔓状神経鞘腫が13例を占めた.臨床像では紅色調や褐色調の色調変化のほか,多結節性の組織像を反映して表面に凹凸を伴う例が6例存在し,dermal schwannomaを疑う臨床的な手掛かりになると考えた.
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