Japanese
English
症例報告
関節リウマチ患者にリウマトイド結節と経表皮排泄を伴ったpalisaded neutrophilic granulomatous dermatitisがみられた1例
A case of rheumatoid arthritis presented with rheumatoid nodule and palisaded neutrophilic granulomatous dermatitis accompanying transepidermal elimination
定本 真梨子
1
,
濱中 美希
1
,
藤岡 彰
2
,
石河 晃
1
Mariko SADAMOTO
1
,
Miki HAMANAKA
1
,
Akira FUJIOKA
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2藤岡皮フ科クリニック
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Fujioka Dermatology Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
palisaded neutrophilic granulomatous dermatitis
,
リウマトイド結節
,
関節リウマチ
,
経表皮排泄
Keyword:
palisaded neutrophilic granulomatous dermatitis
,
リウマトイド結節
,
関節リウマチ
,
経表皮排泄
pp.223-229
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207222
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要約 55歳,女性.3年前に関節リウマチと診断された.半年前より四肢関節部に圧痛を伴う腫瘤が出現したため紹介され受診した.初診時,両肘頭部と両膝関節伸側に痂皮を付す大豆大の皮下結節を複数個認めた.病理組織所見では真皮浅層に壊死を中心とする柵状肉芽腫が形成され,壊死物質と変性した膠原線維の周囲には好中球と核塵がみられた.さらに肉芽腫性病変は経表皮排泄をきたしていた.以上より経表皮排泄を伴ったpalisaded neutrophilic granulomatous dermatitisと診断した.その半年後,左肘頭部に表皮変化のない結節を生じ,生検にて病理組織学的に典型的なリウマトイド結節の所見が認められた.関節リウマチ患者にpalisaded neutrophilic granulomatous dermatitisが生じた報告は比較的少ないが,臨床的にリウマトイド結節とされ,この診断名を使用されていない症例も多くあるのではないかと考えた.両者の臨床像,想定発症機序や病理組織像には共通点があり,これらの一部はオーバーラップする可能性がある.
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