Japanese
English
症例報告
Pagetoid reticulosisの1例
A case of pagetoid reticulosis
桑原 彩乃
1
,
吉田 憲司
1
,
中村 元泰
1
,
市村 知佳
1
,
栗川 幸子
2
,
石河 晃
1
Ayano KUWAHARA
1
,
Kenji YOSHIDA
1
,
Motoyasu NAKAMURA
1
,
Chika ICHIMURA
1
,
Sachiko KURIKAWA
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2雑色皮フ科
1Department of Dermatology(Omori), School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Zoshiki Dermatology Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
pagetoid reticulosis
,
Paget様細網症
,
皮膚T細胞リンパ腫
Keyword:
pagetoid reticulosis
,
Paget様細網症
,
皮膚T細胞リンパ腫
pp.149-154
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207206
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 44歳,女性.初診1年半前より左膝蓋部に自覚症状のない紅色皮疹が出現し徐々に拡大した.近医皮膚科を受診しマキサカルシトール軟膏の外用を開始するも改善なく精査加療目的で当院を紹介され受診した.初診時左膝蓋部に20×15 mmの扁平に隆起する可動性良好な硬い浸潤を伴う紅色局面があり,表面は厚い黄色の痂皮で被覆されていた.病理組織学的に表皮内に大小不同の核を有する胞体の明るい大型の細胞増殖を認めた.腫瘍細胞は免疫染色でCD3,CD5,CD8,CD30,Ki-67が陽性であり,遺伝子再構成はcβ1,Jγで陽性,Jδ1で陰性であり,pagetoid reticulosisと診断した.本症は皮膚T細胞リンパ腫の稀な1型で,自験例は部位,病理組織いずれも典型的な症例である.単発の浸潤を触れる角化性紅斑で外用治療で改善しない場合は皮膚リンパ腫の可能性もあり,積極的に皮膚生検を行い精査することが勧められる.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.