Japanese
English
症例報告
肺癌術後の腹部ポート部再発から腋窩リンパ節転移をきたしたと考えられる1例
A case of axillary lymph node metastasis from port site recurrence after a video assisted thoracic surgery for lung cancer
藤沼 千尋
1
,
鈴木 貴子
1
,
岩澤 うつぎ
1
,
石井 元
2
Chihiro FUJINUMA
1
,
Takako SUZUKI
1
,
Utsugi IWASAWA
1
,
Gen ISHII
2
1地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立広尾病院皮膚科
2地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立広尾病院泌尿器科
1Division of Dermatology, Tokyo Metropolitan Hiroo Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Urology, Tokyo Metropolitan Hiroo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
ポート部再発
,
ポート部転移
,
転移性皮膚腫瘍
Keyword:
ポート部再発
,
ポート部転移
,
転移性皮膚腫瘍
pp.143-148
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207205
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要約 73歳,男性.既往に2年前に原発巣は完治とされた左肺癌と現在治療中の前立腺癌(骨盤内リンパ節・骨転移あり)があった.初診の約半年前から左腹部の結節に気が付き,徐々に痛みが出現した.初診時,胸腔鏡のポート部と考えられる線状の瘢痕部の皮下に腫瘤を触知した.皮膚生検にて肺癌のポート部再発と診断した.同部位に放射線治療が行われたが,6か月後に同側の腋窩リンパ節腫脹,同側胸部皮下結節が出現した.再度皮下結節を生検したところ肺癌の転移の診断であった.経過から,ポート部再発からの皮下転移・腋窩リンパ節転移と考えられた.近年腹腔鏡・胸腔鏡手術が各診療科で普及しており,それに伴ってポート部再発の報告は散見されている.しかしポート部再発から,リンパ行性に皮下転移・リンパ節転移をきたした報告は,自験例の他にはなかった.ポート部再発に対しての啓発と根治的治療の重要性が示唆された.
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