Japanese
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特集 乳癌:初回治療の標準化
腋窩リンパ節多数転移例における最適な郭清
An optimal axillary node dissection in patients with many axillary node metastasis
田口 哲也
1
,
野口 眞三郎
1
Tetsuya TAGUCHI
1
1大阪大学医学部腫瘍外科
キーワード:
腋窩リンパ節郭清
,
胸骨傍リンパ節郭清
,
放射線治療
Keyword:
腋窩リンパ節郭清
,
胸骨傍リンパ節郭清
,
放射線治療
pp.331-334
発行日 2002年3月20日
Published Date 2002/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904800
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腋窩リンパ節および胸骨傍リンパ節郭清の生命予後に対する寄与はほとんどないことが大規模な無作為比較試験により証明されている.一方,腋窩リンパ節郭清には局所コントロールと予後の予測という重要な役割がある.よってLevel ⅠとⅡをまず郭清して,術中に転移がみつかればLevel Ⅲまで郭清を広げればよい.多数の腋窩リンパ節転移を伴う症例では,領域リンパ節(胸骨傍や鎖骨上)に転移を伴いやすいとはいっても徹底郭清の生存に対する利点はないので,むしろ大規模な無作為比較試験の結果を踏まえて,乳房切除後に胸壁と領域リンパ節への放射線照射を行い,生命予後を向上させるといった方針が推奨される.センチネルリンパ節生検が登場し,その精度の高さが確立されてきたので,今後はセンチネルリンパ節に転移陽性の場合,Level Ⅲまで郭清するという方針が普及すると思われる.
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