Japanese
English
特集 乳癌初回の診療:ガイドラインと主治医の裁量
腋窩リンパ節転移陽性例の至適郭清範囲
Optimal extent of axillary lymph node dissection for node-positive breast cancer:treatment guidelines vs.physician's preference
稲治 英生
1
,
柄川 千代美
1
,
菰池 佳史
1
,
元村 和由
1
Inaji Hideo
1
1大阪府立成人病センター乳腺・内分泌外科
キーワード:
乳癌
,
腋窩リンパ節転移
,
腋窩リンパ節郭清
,
ガイドライン
Keyword:
乳癌
,
腋窩リンパ節転移
,
腋窩リンパ節郭清
,
ガイドライン
pp.1141-1144
発行日 2004年9月20日
Published Date 2004/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100728
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要旨:腋窩リンパ節転移陽性乳癌に対する至適郭清範囲として,乳がん診療ガイドライン(厚生労働省高嶋班報告書)では「局所制御のために腋窩リンパ節(レベルⅠ,Ⅱ)と鎖骨下リンパ節(レベルⅢ)までの郭清を行うことが望ましい(グレードB)」とされている.ガイドラインとしては適切な表現であるが,レベルⅢの郭清となるとそのイメージする内容は医師間でも微妙に異なる.また,乳房温存手術では技術的にレベルⅢの完全郭清が可能かどうか自体も疑問である.臨床的転移陽性例はまだしも,センチネルリンパ節生検での微小転移例なども,どこまでの郭清が至適範囲であるかは今後の課題である.つまり,リンパ節転移陽性乳癌の郭清範囲としてレベルⅡまでは必須としても,レベルⅢ郭清については臨床病期や術中所見に応じて主治医の裁量によって臨機応変に対応しているのが実情であろう.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.