症例
エルロチニブ投与後に生じた点状紫斑の1例
加藤 徳子
1
,
秋田 洋一
,
渡辺 大輔
,
高橋 歩
,
原 一夫
1愛知医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
紫斑病
,
腺癌
,
経口投与
,
肺腫瘍
,
Erlotinib
Keyword:
Administration, Oral
,
Erlotinib Hydrochloride
,
Adenocarcinoma
,
Lung Neoplasms
,
Purpura
pp.1153-1156
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016305038
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54歳女。肺腺癌に対してエルロチニブ150mg/日の内服開始2ヵ月後に点状紫斑が全身に出現した。エルロチニブを50mg/日に減量されたが皮疹の改善に乏しく、当科に紹介された。当初血管炎を疑ったが、皮膚生検でleukocytoclastic vasculitisを示唆する所見はなく、表皮細胞の変性や、真皮上層の毛細血管の腫大と血管壁の膨化、赤血球の漏出などを認めた。治療として、デキサメタゾンとオロパタジン塩酸塩の内服およびstrongestクラスのステロイド外用を行ったが改善はみられず、エルロチニブを中止することで改善した。
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