Japanese
English
症例
ベバシズマブにより発症したと考えられる穿孔性皮膚症の1例
Perforating dermatosis probably induced by bevacizumab
河野 奈央
1
,
白鳥 隆宏
1
Nao KAWANO
1
,
Takahiro SHIRATORI
1
1市立岸和田市民病院,皮膚科(主任:白鳥隆宏部長)
キーワード:
穿孔性皮膚症
,
ベバシズマブ
,
VEGF
,
perforating dermatosis
Keyword:
穿孔性皮膚症
,
ベバシズマブ
,
VEGF
,
perforating dermatosis
pp.1701-1706
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003541
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78歳,男性。肺腺癌に対して6カ月前からカルボプラチン,ペメトレキセド,ベバシズマブの投与を4コース施行,3カ月前からペメトレキセド,ベバシズマブの維持療法を開始した。同時期から腰臀部,下肢に多発性の皮膚潰瘍が出現し当科を受診した。初診時,腰臀部を中心に紅暈を伴い黒色痂皮に被覆される5~30mmほどの類円形の潰瘍が多発していた。病理組織検査にて変性した膠原線維の経表皮排出像を認め,穿孔性皮膚症と診断した。化学療法中止後に潰瘍は徐々に上皮化した。近年,ベバシズマブやソラフェニブなどの血管新生阻害薬による穿孔性皮膚症が報告されている。自験例はベバシズマブにより誘発された多発する穿孔性皮膚症の可能性があると考えられた。
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