Japanese
English
症例報告
耳介に生じた無色素性悪性黒色腫の1例
A case of amelanotic melanoma on the auricle
澁田 恭平
1
,
伊﨑 聡志
1
,
石井 まどか
1
,
樫村 勉
2
,
藤田 英樹
1
Kyohei SHIBUTA
1
,
Satoshi IZAKI
1
,
Madoka ISHII
1
,
Tsutomu KASHIMURA
2
,
Hideki FUJITA
1
1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野
2日本大学医学部形成外科学系形成外科学分野
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Plastic Surgery, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
無色素性悪性黒色腫
,
耳介
,
免疫組織化学染色
Keyword:
無色素性悪性黒色腫
,
耳介
,
免疫組織化学染色
pp.713-717
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207079
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要約 86歳,男性.6か月前に自覚した左耳介の出血を伴う隆起性皮疹を主訴に当科を受診した.初診時,左対耳輪下脚に15×10 mm大の暗赤色調で半球状に隆起する結節がみられた.生検の病理組織では真皮内に細胞質が豊富で低分化な腫瘍細胞がびまん性に増殖していた.免疫組織化学的検討にて確認に至らず,転移性腫瘍を疑い,全身検索を行ったが,原発巣と考えられる他臓器病変はなく,皮膚原発の低分化悪性腫瘍として,有棘細胞癌に準じて全切除した.全切除検体の病理組織では表皮内に異型メラノサイトの増殖があり,腫瘍細胞がS100蛋白,Melan A陽性であったことから無色素性悪性黒色腫と診断した.臨床的特徴に乏しい皮膚腫瘍で,病理組織学的に低分化な悪性腫瘍を呈した場合には,稀な部位であっても無色素性悪性黒色腫を鑑別診断の1つとして考え,それに対応した免疫組織化学染色も行うことが重要であると考えた.
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