Japanese
English
症例報告
小児皮膚肥満細胞症の1例—当院で経験した皮膚肥満細胞症19例の臨床的検討も含めて
A case of pediatric cutaneous mastocytosis:Including single-center analysis of 19 cases of cutaneous mastocytosis in our division
髙見澤 美月
1
,
善家 由香理
1
,
新井 達
1
,
佐藤 佐由里
2
Mizuki TAKAMIZAWA
1
,
Yukari ZENKE
1
,
Satoru ARAI
1
,
Sayuri SATO
2
1聖路加国際病院皮膚科
2山王病院皮膚科
1Division of Dermatology, St. Luke's International Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Sanno Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
肥満細胞腫
,
多発性
,
小児
Keyword:
肥満細胞腫
,
多発性
,
小児
pp.707-711
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207078
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 9か月,男児.生後5か月頃から下腹部と腰部,大腿部に淡褐色結節が出現.病理組織学的所見では真皮上中層に肥満細胞が稠密に浸潤し,トルイジンブルー染色で異染性を示した.多臓器への浸潤を認めず,多発型肥満細胞腫と診断した.当科で過去15年間に経験した皮膚肥満細胞症患者19例について検討した結果,小児が18例,成人が1例で,分類別では斑状丘疹状肥満細胞症9例,単発型肥満細胞腫6例,多発型肥満細胞腫4例であった.斑状丘疹状肥満細胞症,肥満細胞腫の両群ともに7歳までに6割で皮疹の改善を認め,その中でも肥満細胞腫のほうが皮膚症状の予後は良好であった.蕁麻疹発作については全体の4割でみられ,そのうち5歳までに7割が改善し,予後良好であることがわかった.一方で,蕁麻疹発作が遷延する症例については全身性肥満細胞症の可能性もあるため,注意深い経過観察が必要と考えた.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.