Japanese
English
症例報告
爪下無色素性悪性黒色腫の2例
Two cases of subungual amelanotic malignant melanoma
福田 将大
1
,
脇 裕磨
1
,
福地 修
1
,
森山 壮
2
,
延山 嘉眞
3
,
朝比奈 昭彦
3
Masahiro FUKUDA
1
,
Yuma WAKI
1
,
Osamu FUKUCHI
1
,
Sou MORIYAMA
2
,
Yoshimasa NOBEYAMA
3
,
Akihiko ASAHINA
3
1東京慈恵会医科大学附属柏病院皮膚科
2東京慈恵会医科大学附属柏病院形成外科
3東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University Kashiwa Hospital, Kashiwa, Japan
2Department of Plastic Surgery, The Jikei University Kashiwa Hospital, Kashiwa, Japan
3Department of Dermatology, The Jikei University Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
無色素性悪性黒色腫
Keyword:
無色素性悪性黒色腫
pp.615-620
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206121
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要約 症例1:59歳,女性.1年半前より右中指先端の疼痛を自覚した.その後,爪甲縦裂,爪下の紅色小結節が出現し当科を受診した.Bowen病や有棘細胞癌などを疑い,切除術を施行した.病理組織学的に無色素性悪性黒色腫であり,中指切断術と腋窩センチネルリンパ節生検を施行した.術後5か月が経過し,再発・転移はない.症例2:89歳,女性.発症時期は不明だが,右拇趾の爪甲破壊を自覚していた.その後,爪甲脱落,爪床の潰瘍が出現し当科を受診した.Bowen病を疑い皮膚生検を施行した.病理組織学的に無色素性悪性黒色腫であり,拇趾切断術と鼠径センチネルリンパ節生検を施行した.術後4か月が経過し,再発・転移はない.爪下無色素性悪性黒色腫は臨床診断が困難であり,進行例で見つかることも多い.臨床診断,ダーモスコピー診断に苦慮する際は,早期の病理組織検査と根治術により,予後を改善できると考える.
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