Japanese
English
症例報告
足趾に生じた無色素性悪性黒色腫の1例
A case of amelanotic malignant melanoma of the toe
波田野 冴佳
1
,
佐藤 洋平
1
,
福山 雅大
1
,
成田 陽子
1
,
大山 学
1
Sayaka HATANO
1
,
Yohei SATO
1
,
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Yoko NARITA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
無色素性悪性黒色腫
,
ダーモスコピー
,
有棘細胞癌
,
足趾
,
多形血管
Keyword:
無色素性悪性黒色腫
,
ダーモスコピー
,
有棘細胞癌
,
足趾
,
多形血管
pp.621-625
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206122
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要約 79歳,女性.初診5か月前から右第1趾に爪甲剥離,びらんが生じた.前医にて皮膚潰瘍の診断でイソジンゲル®を外用したが改善なく腫瘍性病変が疑われ当科を紹介され受診した.初診時,右第1趾の爪甲は剝脱し,趾尖部に潰瘍を認めた.ダーモスコピーにて色素性病変を示唆する所見は認めなかった.皮膚生検を施行し組織所見から無色素性悪性黒色腫と診断した.足趾離断術後フェロン局注にて術後7か月の現在も再発・転移はない.本邦の無色素性悪性黒色腫報告例71例のうち足趾発生例は7例のみで,そのうち4例が初診時に有棘細胞癌と診断されており自験例類似の症例は診断が困難である可能性がある.しかし,自験例では初診時のダーモスコピー像を見直すとmilky-red globules, polymorphous vesselsの所見があり,詳細なダーモスコピー所見の検討により初期から診断しえた可能性もあった.
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