Japanese
English
症例報告
全エクソーム解析により遺伝子診断された単純型表皮水疱症(重症例)の1例—出生後管理の検討
A case of severe epidermolysis bullosa simplex genetically diagnosed by whole-exome sequencing
明石 憲佳
1,2
,
武市 拓也
1
,
野田 達宏
1,2
,
室 慶直
1
,
満間 照之
2
,
秋山 真志
1
Norika AKASHI
1,2
,
Takuya TAKEICHI
1
,
Tatsuhiro NODA
1,2
,
Yoshinao MURO
1
,
Teruyuki MITSUMA
2
,
Masashi AKIYAMA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
2一宮市立市民病院皮膚科
1Department of Dermatology, Nagoya University Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
2Department of Dermatology, Ichinomiya Municipal Hospital, Ichinomiya, Japan
キーワード:
全エクソーム・シークエンシング
,
表皮水疱症
,
Dowling-Meara
,
ケラチン14
,
KRT14
Keyword:
全エクソーム・シークエンシング
,
表皮水疱症
,
Dowling-Meara
,
ケラチン14
,
KRT14
pp.683-687
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207073
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要約 出生週数37週1日の経腟分娩の新生児(男児).出生時より四肢体幹に水疱,表皮剥離を認めた.患児の母,祖母にも同様のエピソードがあった.常染色体顕性(優性)遺伝形式の表皮水疱症を考えて,全エクソーム解析,および/または,Sangerシークエンシングによる病因遺伝子変異検索を行い,患児とその母親,母方祖母のケラチン14をコードする遺伝子KRT14にミスセンスバリアントc. 368A>G(p.(Asn123Ser))を同定し,単純型表皮水疱症(重症型)(旧病型分類名,Dowling-Meara型)と診断した.診断の結果を踏まえ,患部の洗浄,ワセリン塗布,創傷被覆材による保護などの保存的治療と,感染対策を行った.NICUでの感染対策,創部の管理など,表皮水疱症の保存的治療の注意点について,最近の知見を交えて考察し,報告する.表皮水疱症を疑った際には,速やかな診断の確定ならびに治療方針の決定や,遺伝カウンセリングのための病因遺伝子変異の同定と病型分類を目的とした全エクソーム解析が有効である.
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