Japanese
English
症例報告
Alternaria alternataとPurpureocillium lilacinumによる深在性皮膚真菌症が同時期に発症した1例
A case of simultaneous cutaneous infection due to Alternaria alternata and Purpureocillium lilacinum
奥平 尚子
1
,
澤田 智也
1
,
大橋 理加
1
,
辻岡 馨
1
,
安澤 数史
2
Hisako OKUHIRA
1
,
Tomoya SAWADA
1
,
Rika OHASHI
1
,
Kaoru TSUJIOKA
1
,
Kazushi ANZAWA
2
1日本赤十字社和歌山医療センター皮膚科
2金沢医科大学皮膚科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
2Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Kanazawa, Japan
キーワード:
Alternaria alternata
,
Purpureocillium lilacinum
,
深在性皮膚真菌症
Keyword:
Alternaria alternata
,
Purpureocillium lilacinum
,
深在性皮膚真菌症
pp.545-551
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207040
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要約 69歳,男性.間質性肺炎に対してプレドニゾロンとシクロスポリンを内服中.初診の約7か月前に両膝付近に自覚症状のない発疹が出現し増大してきた.左膝側は中央のカリフラワー状のびらん局面を取り囲むように鱗屑,痂皮を伴う10 cm大の病変,右膝側は全面が厚い鱗屑,痂皮に覆われた8 cm大の病変を呈していた.左膝病変では病理組織学的に不規則で著明な角質肥厚,表皮肥厚,形質細胞や多核巨細胞を伴う肉芽腫形成を認め,PAS染色陽性の菌糸が少数みられた.右膝病変も類似の病理組織所見を示した.生検組織培養および生検組織のPCR検査で左膝病変からAlternaria alternata,右膝病変からPurpureocillium lilacinumを検出した.イトラコナゾール200 mg/日内服,温熱療法により6か月後に略治した.両菌種による感染が別部位に同時期に発症することはきわめて稀である.自験例のように,複数の免疫抑制剤を使用中で,複数の病変が異なった臨床像を呈している場合は,異なる真菌が起因菌となっている可能性も考慮する必要がある.
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