Japanese
English
症例報告
軟部組織に発症した脈管肉腫の2例
Two cases of angiosarcoma arising in soft tissue
辻岡 馨
1
,
大橋 理加
1
,
谷 冴香
1
,
奥村 慶之
2
,
西端 和哉
3
,
楠葉 展大
4
,
辻花 光次郎
4
Kaoru TSUJIOKA
1
,
Rika OHASHI
1
,
Sayaka TANI
1
,
Yoshiyuki OKUMURA
2
,
Kazuya NISHIBATA
3
,
Nobuhiro KUSUBA
4
,
Kohjiro TSUJIHANA
4
1日本赤十字社和歌山医療センター皮膚科
2日本赤十字社和歌山医療センター形成外科
3にしばた形成外科クリニック
4京都大学医学部皮膚科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Society Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
2Division of Plastic Surgery, Japanese Red Cross Society Wakayama Medical Center, Wakayama, Japan
3Nishibata Plastic Surgery Clinic, Wakayama, Japan
4Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
脈管肉腫
,
軟部組織
Keyword:
脈管肉腫
,
軟部組織
pp.411-416
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204460
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要約 症例1:41歳,男性.初診2か月前に左こめかみに有痛性皮下腫瘤が出現した.病理組織学的に病変は深部脂肪層から筋層にかけて存在し,核異型を示す紡錘形ないし類上皮様の細胞が増殖し,細胞間に出血がみられた.腫瘍細胞はCD31,FVⅢag陽性であった.原発巣を切除し,タキサン系抗癌剤を投与した.症例2:41歳,男性.両側の気胸と囊胞内出血をくり返し,肺生検所見から脈管肉腫の転移を疑われた.全身検索で左足関節部外側下方に約5年前から気づいていた皮下腫瘤を認めた.病理組織学的に病変は皮下脂肪,筋膜,腱,筋層に及んでいた.紡錘形および類上皮様の細胞が混在増殖し,偽管腔様構造もみられた.腫瘍細胞はCD31,CD34,FVⅢag陽性であった.原発巣を切除し化学療法を試みたが,喀血をきたして永眠した.軟部組織に発生する脈管肉腫は稀であり,皮膚に発生するものと比べて多様な疫学的特徴,形態学的特徴を示すので臨床的に注意を要する.
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