Japanese
English
症例報告
ボリコナゾール内服によって治癒したScedosporium apiospermumによる深在性皮膚真菌症の1例
A case of deep dermatomycosis caused by Scedosporium apiospermum successfully treated with oral voriconazole
山口 礼門
1
,
池村 渓伺
1
,
安澤 数史
1
,
藤井 俊樹
1
,
望月 隆
1
Reimon YAMAGUCHI
1
,
Keiji IKEMURA
1
,
Kazushi ANZAWA
1
,
Toshiki FUJII
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
1金沢医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Uchinada, Ishikawa, Japan
キーワード:
Scedosporium
,
関節リウマチ
,
免疫抑制
,
ボリコナゾール
Keyword:
Scedosporium
,
関節リウマチ
,
免疫抑制
,
ボリコナゾール
pp.79-85
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205935
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要約 79歳,女性.69歳から関節リウマチに対し免疫抑制剤を投与されていた.初診の1週間前,右母指球の外傷部に皮下結節を生じた.初診時,右母指球の周囲数か所に皮下膿瘍を認め,膿汁の直接鏡検で菌糸を確認した.生検組織では真皮から皮下組織に膿瘍があり,周囲の肉芽組織内に菌糸を認めた.真菌培養では白色羽毛状のコロニーが発育した.分離菌を形態学的特徴とrDNAのITS領域の塩基配列からScedosporium apiospermumと同定した.ボリコナゾール(VRCZ)400mg/日の内服を開始したところ,膿瘍を含め皮疹は速やかに消退傾向を示した.1週間目にγ-GTPの上昇がみられたためVRCZを200mg/日に減量のうえ,内服を継続し,3か月の投与で治癒した.自験例はVRCZの初回のトラフ濃度が高値であったが,その結果が返却される前にγ-GTPの変動を見て減量したことが,肝機能障害発生の予防に繋がった可能性がある.
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