Japanese
English
症例報告
血管シーリングシステムが奏効した腫瘍内出血を伴った巨大びまん性神経線維腫の1例
A case of large diffuse plexiform neurofibroma with intratumor hemorrhage successfully treated by using vessel sealing system
平井 郁子
1
,
吉田 哲也
1
,
伊勢 美咲
1
,
舩越 建
1
,
髙江 雄二郎
1
,
貴志 和生
2
,
谷川 瑛子
1
Ikuko HIRAI
1
,
Tetsuya YOSHIDA
1
,
Misaki ISE
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Yujiro TAKAE
1
,
Kazuo KISHI
2
,
Akiko TANIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科
2慶應義塾大学医学部形成外科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
びまん性神経線維腫
,
腫瘍内出血
,
血管シーリングシステム
,
止血
Keyword:
びまん性神経線維腫
,
腫瘍内出血
,
血管シーリングシステム
,
止血
pp.426-430
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103670
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要約 63歳,男性.既往に骨髄異形成症候群,心筋梗塞,洞不全症候群がある.また,慢性腎不全に対し2年前に腎移植を施行された.神経線維腫症1型で腰部に懸垂性の腫瘤があり,同部位が誘因なく急激に増大したため受診した.一般検査で既存する貧血の進行がみられ,CTでは腫瘍内出血像を認めた.心不全,腎不全の増悪が懸念され,全身麻酔下で血腫除去術と,バイポーラを用いた止血を行った.術後19日目に再出血とそれによる創部の離開を生じ,2回目の手術を施行する際,止血操作に血管シーリングシステムを用いた腫瘍内部分切除術を行い,略治した.血管シーリングシステムは出血量を抑え確実な止血を行うことができる手術装置である.術中の止血に難渋することが多いびまん性神経線維腫の腫瘍内出血に対し有用なツールであり,皮膚科領域でも今後,積極的に取り入れることが望ましいと考えた.
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