Japanese
English
症例報告
グルカゴノーマの摘出により改善した壊死性遊走性紅斑の1例
A case of necrolytic migratory erythema improved by excision of a glucagonoma
改正 純一
1
,
猪上 奈奈
1
,
松本 奈央
1
,
中川 雄仁
2
,
倉橋 光輝
3
,
玉置 大
4
,
中前 恵一郎
5
,
松井 美萌
1
Junichi KAISHO
1
,
Nana INOUE
1
,
Nao MATSUMOTO
1
,
Yujin NAKAGAWA
2
,
Kouki KURAHASHI
3
,
Dai TAMAKI
4
,
Keiichiro NAKAMAE
5
,
Miho MATSUI
1
1医仁会武田総合病院皮膚科
2滋賀県立総合病院皮膚科
3医仁会武田総合病院外科
4医仁会武田総合病院消化器内科
5医仁会武田総合病院内科
1Division of Dermatology, Ijinkai Takada General Hospital, Kyoto, Japan
2Division of Dermatology, Shiga General Hospital Shiga Japan
3Division of Surgery, Ijinkai Takada General Hospital, Kyoto, Japan
4Division of Gastroenterology, Ijinkai Takada General Hospital, Kyoto, Japan
5Division of Internal Medicine, Ijinkai Takada General Hospital, Kyoto, Japan
キーワード:
壊死性遊走性紅斑
,
グルカゴノーマ
Keyword:
壊死性遊走性紅斑
,
グルカゴノーマ
pp.207-212
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206912
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要約 58歳,女性.全身のびらん,紅斑,体動困難のため当院へ救急搬送された.伝染性膿痂疹として抗菌薬で治療開始したが完治に至らず,ステロイド外用にも反応不良であった.壊死性遊走性紅斑を鑑別に挙げ全身検索したところグルカゴノーマが発見され腫瘍摘出で皮疹は完全に消失した.壊死性遊走性紅斑はグルカゴノーマに伴う皮疹として知られるが低栄養によるものも報告されている.自験例では不十分なスキンケアにより生じたアカツキ病や高グルカゴン血症による糖尿病を背景に生じた伝染性膿痂疹の合併があり壊死性遊走性紅斑と診断するのに難渋した.壊死性遊走性紅斑が出現したときには既に腫瘤の転移があるという報告もあり早期診断が患者の予後に影響を与えうる.壊死性遊走性紅斑の臨床像に修飾が加わる可能性があることを念頭に置く必要がある.
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