Japanese
English
臨床報告
門脈ガス血症を伴うα-グルコシダーゼ阻害薬による腸管囊腫様気腫症の1切除例
A resected case of pneumatosis cystoides intestinalis with portal venous gas induced by an α-glucosidase inhibitor
古橋 隆
1
,
佐藤 伸隆
1
,
安部 利彦
1
,
畑田 鉄平
2
,
石川 伸久
2
,
藤東 寛行
2
Takashi FURUHASHI
1
1一般社団法人日本海員掖済会 門司掖済会病院外科
2一般社団法人日本海員掖済会 門司掖済会病院胃腸内科
キーワード:
α-グルコシダーゼ阻害薬
,
腸管囊腫様気腫症
,
門脈ガス血症
Keyword:
α-グルコシダーゼ阻害薬
,
腸管囊腫様気腫症
,
門脈ガス血症
pp.1393-1397
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211860
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要旨
症例は88歳,女性.糖尿病にてα-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)投与7日目の夕食後に突然の嘔吐と腹痛があった.腹部CT上,門脈ガス血症を伴う腸管囊腫様気腫症を認めた.門脈ガス血症まで伴うこと,強い苦悶と腹膜刺激症状があるが,腎不全のため造影CTが撮れず腸管壊死を否定できなかったことから,腸切除術を施行した.術後3日目には門脈ガスは消失した.切除標本では一部粘膜の壊死,浮腫性変化と含気を認めた.病理組織では,粘膜からうっ血浮腫状の粘膜下層に大小の空胞を多数認めた.α-GIによる腸管囊腫様気腫症は,門脈ガス血症を合併しても保存的治療で軽快することが多く,外科的処置の適応については十分な検討が必要であると考えられた.
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