Japanese
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症例報告
透析患者に生じた非イオン性ヨード造影剤による多発性固定薬疹進展型中毒性表皮壊死症の1例
A case of toxic epidermal necrosis developed from multiple fixed drug eruption caused by nonionic iodine contrast agent in a patient receiving hemodialysis
岩本 雄太郎
1
,
小笹 静佳
1
,
渡邊 京子
1
Yutaro IWAMOTO
1
,
Shizuka OZASA
1
,
Kyoko WATANABE
1
1湘南藤沢徳洲会病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shonan Fujisawa Tokushukai Hospital, Fujisawa, Japan
キーワード:
造影剤
,
固定薬疹
,
中毒性表皮壊死症
,
透析
Keyword:
造影剤
,
固定薬疹
,
中毒性表皮壊死症
,
透析
pp.579-585
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206738
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要約 73歳,男性.2型糖尿病による腎不全で4年前から維持透析中.足趾壊疽に対してデブリードマン,血行再建目的に外科に入院した.イオパミドール(イオパミロン®)で下肢造影CTの撮影後に全身に水疱,びらんが出現.過去にも造影検査後に固定薬疹の症状があった.皮疹部の病理組織で表皮全層の壊死を認め,多発性固定薬疹進展型中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN)と診断した.SCORTENは3点.造影剤のパッチテストは皮疹部,無疹部ともに陰性で,薬剤リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test:DLST)も陰性だった.ステロイドミニパルスにて治療し,治癒した.イオパミドールによる固定薬疹の報告は自験例を含め15例あるが,TENに至ったのは自験例が初めてである.透析患者は造影剤排泄遅延に加え,さまざまな科による頻回な造影剤投与の機会がある.皮膚科医が中心となって他科医師に周知徹底する必要がある.
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