Japanese
English
症例報告
肛囲に発生した顆粒細胞腫の1例
A case of granular cell tumor in the perianal region
益田 知可子
1,2
,
吉田 裕梨
1
,
池田 彩
1
,
原田 潤
1
,
小澤 健太郎
1
Chikako MASUDA
1,2
,
Yuri YOSHIDA
1
,
Aya IKEDA
1
,
Jun HARADA
1
,
Kentaro OZAWA
1
1国立病院機構大阪医療センター皮膚科
2大阪国際がんセンター腫瘍皮膚科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Osaka National Hospital, Osaka, Japan
2Division of Dermatologic Oncology, Osaka International Cancer Institute, Osaka, Japan
キーワード:
顆粒細胞腫
,
肛囲
Keyword:
顆粒細胞腫
,
肛囲
pp.533-537
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206725
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要約 61歳,女性.約2年前から自覚する肛囲の腫瘤を主訴に受診した.初診時,肛門左会陰側に径25×15mmの表面が浸軟した淡紅色の腫瘤を認め,腫瘤の周囲の皮膚には紅斑を伴っていた.皮膚生検を行い,顆粒細胞腫と診断し,腫瘤を1mm程度のマージンで全切除した.術後感染のリスクを考慮して開放創として瘢痕治癒させ,現在まで再発なく経過している.顆粒細胞腫の肛囲発生例は稀で海外文献では40例の報告があるが,本邦での報告例は自験例を含めて3例のみであった.いずれも切除後,肛門機能は温存できており,悪性化や再発を認めていない.自験例では特異な臨床所見を呈したが,病理組織学的所見から,肛囲の湿潤や圧迫などの特殊な局所環境要因が関与したと推察した.顆粒細胞腫は良性腫瘍であるが,再発例も報告されていることから術後も定期的に経過観察を行う必要がある.
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