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増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022
5.皮膚科医のための臨床トピックス
デニロイキン ジフチトクスによる皮膚T細胞リンパ腫の治療
Denileukin diftitox for the treatment of cutaneous T-cell lymphoma
宮垣 朝光
1
Tomomitsu MIYAGAKI
1
1聖マリアンナ医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine, Kawasaki, Japan
キーワード:
デニロイキン ジフチトクス
,
IL-2
,
ジフテリア毒素
,
皮膚T細胞リンパ腫
,
CD25
Keyword:
デニロイキン ジフチトクス
,
IL-2
,
ジフテリア毒素
,
皮膚T細胞リンパ腫
,
CD25
pp.164-166
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206678
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summary
デニロイキン ジフチトクスは,再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma:PTCL),再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫(cutaneous T-cell lymphoma:CTCL)を効能効果として,2021年3月に本邦で承認された新規治療薬である.インターロイキン-2(interleukin-2:IL-2)とジフテリア毒素の部分配列からなる融合蛋白質であり,腫瘍細胞表面上のIL-2受容体と結合し細胞内に取り込まれ,細胞内に移行したジフテリア毒素断片が蛋白質合成を阻害し,殺腫瘍細胞効果を発揮する.本邦での第II相試験では,全奏効率はPTCLで41%,CTCLで31%(菌状息肉症で42%)であり,高親和性のIL-2受容体を構成するCD25の発現の高い症例で有効性が高い傾向があった.注意すべき副作用として,capillary leak syndromeがあり,投与中はしっかりとしたモニタリングが必要だが,難治性CTCLに対する治療の選択肢の1つとして有用と考えられる.
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