Japanese
English
症例報告
紅皮症に結節・腫瘤を伴った皮膚T細胞リンパ腫の1例
A Case of Cutaneous T-Cell Lymphoma with Erythroderma, Nodules and Tumors
森 誉子
1
,
藤井 初美
2
,
鈴木 民夫
2
,
平岩 厚郎
2
,
近藤 隆男
2
,
大橋 勝
2
,
原 一夫
3
Takako MORI
1
,
Hatsumi FUJII
2
,
Tamio SUZUKI
2
,
Atsuro HIRAIWA
2
,
Takao KONDO
2
,
Masaru OHASHI
2
,
Kazuo HARA
3
1名古屋掖済会病院皮膚科
2名古屋大学医学部皮膚科学教室
3愛知医科大学第一病理学教室
1Division of Dermatology, Nagoya Ekisaikai Hospital
2Department of Dermatology, Nagoya University School of Medicine
3First Department of Pathology, Aichi Medical University
キーワード:
皮膚T細胞リンパ腫
,
紅皮症
,
Ki−1リンフォーマ
Keyword:
皮膚T細胞リンパ腫
,
紅皮症
,
Ki−1リンフォーマ
pp.713-715
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900965
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41歳,男性.10年前より全身に著明な落屑が生じるようになり,5年前から瘙痒を伴った紅斑が顔面・腹部・下肢に出現した.平成2年4月には紅皮症の状態となり,下肢に魚鱗癬様の皮疹や結節・腫瘤も認められるようになった.病理組織学的に,紅斑部では真皮上層に帯状にクロマチンの濃いくびれの強い核を有する小型の異型リンパ球様細胞の浸潤がみられ,表皮向性が認められた.結節・腫瘤部では,小型の異型リンパ球様細胞はむしろ減少し,大型でクロマチンに乏しい核を有する異型細胞が真皮上中層にびまん性に浸潤していた.小型および大型の浸潤細胞の表面マーカーはCD3陽性で,大型の細胞ではCD30(Ki−1)も陽性であった.扁平浸潤期がなく,末梢血中に異型リンパ球も認められないことより,本症例を菌状息肉症やセザリー症候群とは異なる皮膚T細胞リンパ腫と考えた.
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