Japanese
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特集 皮膚の悪性腫瘍――研究と診療の進歩
皮膚T細胞リンパ腫に対する分子標的薬の進歩
The development of molecular targeted therapies for cutaneous T-cell lymphoma
宮垣 朝光
1
Tomomitsu MIYAGAKI
1
1聖マリアンナ医科大学皮膚科
キーワード:
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)
,
分子標的薬
,
モガムリズマブ
,
ブレンツキシマブ ベドチン(BV)
,
ラクタマブ
Keyword:
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)
,
分子標的薬
,
モガムリズマブ
,
ブレンツキシマブ ベドチン(BV)
,
ラクタマブ
pp.514-519
発行日 2024年5月18日
Published Date 2024/5/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289070514
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皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は,皮膚を原発臓器としたT細胞由来の非ホジキンリンパ腫群を指す病名であり,菌状息肉症(MF)とセザリー症候群(SS)がその代表病型である.進行期MF,SSは予後不良で,同種造血幹細胞移植以外に長期寛解を期待できる治療がなく,基本的な治療戦略としては,できるだけ副作用が少なく,継続可能な治療を行い,病勢がコントロールできなくなってきたら,治療強度を上げていくというものになる.このような治療戦略のなかで,副作用や効果持続性の観点から,作用する細胞が限られている分子標的薬が注目されており,モガムリズマブ,ブレンツキシマブ ベドチン(BV)がさまざまな国,地域で使用されるようになっている.とはいうものの,これらの薬剤が半永久的に有効性を保つことはまれであり,さらなるCTCLの診療改善を目指して,さまざまな新規分子標的薬の開発が進行している.本稿では上記2剤に加えて,今後,MFおよびSSに対して臨床応用が期待される分子標的薬について概説する.
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