Japanese
English
症例報告
両下肢に色素斑,紫斑を呈し,慢性色素性紫斑を疑ったCD8陽性皮膚T細胞リンパ腫の1例
A case of CD8 positive cutaneous T-cell lymphoma masquerading as chronic pigmentary purpura
猿田 祐輔
1
,
宇野 裕和
1
,
中田 土起丈
1
,
秋山 正基
1
,
飯島 正文
1
,
塩沢 英輔
2
,
矢持 淑子
2
Yusuke SARUTA
1
,
Hirokazu UNO
1
,
Tokio NAKADA
1
,
Masaki AKIYAMA
1
,
Masafumi IIJIMA
1
,
Eisuke SHIOZAWA
2
,
Toshiko YAMOCHI
2
1昭和大学医学部皮膚科学教室
2昭和大学医学部第2病理学教室
キーワード:
CD8陽性
,
皮膚T細胞リンパ腫
,
紫斑
Keyword:
CD8陽性
,
皮膚T細胞リンパ腫
,
紫斑
pp.801-805
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103414
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要約 63歳,男性.約7年前に両下肢,右前腕に皮疹が出現し,徐々に増数してきた.初診時,両下肢,右前腕に比較的境界明瞭な手拳大程度の紫褐色ないし灰褐色の色素斑が多発散在していた.リンパ節腫脹はなかった.慢性色素性紫斑を疑い生検した.病理組織学的に表皮基底層に明るい胞体を有する異型腫瘍細胞の浸潤がみられた.腫瘍細胞はCD3+,CD4-,CD8+,TIA-1+,グランザイムB+で,T細胞受容体γ鎖遺伝子再構成を解析しモノクローナルな増殖を認めたため,CD8陽性T細胞リンパ腫と診断した.1年間のNB-UVB療法後,現在,皮疹は色素沈着主体となり,一部では消退傾向も認め,経過観察中である.WHO分類における位置付けを確認し,自験例はCD8陽性T細胞リンパ腫と診断した.
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