Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
IV 治療のトピックス
皮膚悪性リンパ腫の最近の治療法
The current treatment of cutaneous malignant lymphoma
石原 和之
1
Kazuyuki ISHIHARA
1
1国立がんセンター中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, National Cancer Center Hospital
キーワード:
皮膚T細胞リンパ腫
,
菌状息肉症
,
インターフェロン—γ
,
インターフェロン—α
Keyword:
皮膚T細胞リンパ腫
,
菌状息肉症
,
インターフェロン—γ
,
インターフェロン—α
pp.169-172
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901215
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
皮膚に発生する皮膚悪性リンパ腫の主なものは皮膚T細胞リンパ腫であり,菌状息肉症によって代表される.本腫瘍は現在でも古典的分類が利用され,紅斑期,扁平浸潤期,腫瘤期に分けられる.本症の特徴として免疫不全を招来し,腫瘍死以外に日和見感染によって死亡することが少なくない.したがって,化学療法を早期から適用すると却って死期を早めることがある.また,従来のPUVA療法,外用療法,放射線療法では免疫不全に対し改善に働くとは考えにくい.したがって,インターフェロンの本腫瘍に対する効果は全身投与で60%前後の効果を示すだけではなく,本腫瘍の免疫不全に対する調節作用も有すると考えられる.本腫瘍に対するインターフェロンの適用は治療効果と予後を改善する一石二鳥の役割を発揮すると考えられる.現段階ではインターフェロンはαもγも優れた効果が見られ副作用も少なく有力な武器と思われる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.