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2018年4月から始まった新専門医制度.また自分のように臨床研修医制度施行前に医師1年目から皮膚科医になった者として,新制度下で医師3年目から皮膚科医をスタートとする後輩に対して,自分のときとを比較して思うことが多い.新専門医制度では専門医(まずは皮膚科専門医:基本領域)を取るための仕組みを日本専門医機構が運用を担い,さらにスペシャリティを有する専門医を取るため(サブスペシャルティ領域)にはその皮膚科専門医取得が条件となる.皮膚科専門医を取るためには同機構が承認しているプログラムに基づく大学病院(基幹施設)での研修が必須となる.いわば医師になる前から自分は何に特化して診療していくかのビジョンまである程度必要になってくる.医学部4回生頃より念入りにマッチングの病院の下調べをして6回生→臨床研修医と進んでいく上で皮膚科という診療科を選択していく.うかうかしていられない.プログラム受け入れ数にシーリングがあり,都市部の大学病院では競争になり,希望する大学での皮膚科研修ができないこともある.全科的プライマリ・ケアができる医師が増えた一方,今の若い世代の医師は何事も何年も先を見据えて周到に計画・熟考・計画・熟考の繰り返しで,特に今の医学部生については窮屈めいた不憫さを感じる.自分のときは6回生の夏まで西医体で勝つ/負けるが頭の中の約8割方を占め,それからようやく診療科を決めるときも部活の先輩から酒に酔わされ,その勢いで入局を考えはじめ,また何よりもポリクリ中で皮膚科医の皮疹,メラノーマを見ただけですぐ鑑別診断を含めて診断できるといういわば「職人技」に感銘してこれだ,という直感で皮膚科および癌診療に決めた.現在このようないわば適当で緩いプロセスはない.しかし今振り返ってもこの直感で進路を決めたのは正解であったと思うことは言うまでもない.
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